クリスティー氏はルビオ氏に失望したと漏らした。

事前の世論調査でトランプ氏に大きく差をつけられており、地元での敗戦と撤退を覚悟していたのは、この会場選びからわかる。
ルビオ氏は撤退宣言の間も笑顔をみせた。
場違いなつくり笑いは歯車が狂った今回の選挙戦を象徴していた。
若さを前面に世代交代を掲げたルビオ氏の選挙戦。
その若さは軽さと結びついた。
2月のテレビ討論会の一場面。
選挙用の25秒のセリフを暗記しているだけか。
ルビオ氏が同じ表現でオバマ米大統領批判を3回繰り 返したとき、同じ主流派でニュージャージーのクリス・クリスティー州知事が割って入った。
ルビオ氏と、マニュアルを信奉する表層的な若者像が重ね合わされた。
クリスティー氏のトランプ氏への支持表明の経緯でも、ルビオ氏の軽さが目立った。
米メディアによると、クリスティー氏が選挙戦からの撤退の意向を示したその日、トランプ氏はクリスティー氏に電話し、長時間話し込んだ。
翌週にはクリスティー氏と夫人をニューヨークにあるトランプタワーに招き、朝食をともにした。
クリスティー氏がトランプ氏への支持を明らかにしたのは、それから間もなくだ。
クリスティー氏によると、ルビオ氏からも電話があった。
留守電に将来について話したいとのメッセージがふき込まれただけ で、その後、電話はなかった。
クリスティー氏はルビオ氏に失望したと漏らした。
貸し借り関係がモノをいう政治家の不文律を破ったことも、逆風になった。
2010年上院選の当選は保守派の草の根運動茶会とブッシュ氏の応援が背景にある。
ルビオ氏とブッシュ氏の年齢差は20歳近くあり、ブッシュ氏は今回の挑戦が最後の機会になる可能性があった。