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投資先の選定など実際のファンドの運営は三井物産が出資する米ノバクエストキャピタルマネジメント社が行う。
同社はクインタイルズ社のファンド部門が分離・独立して発足した。
新薬ファンドは主に治験の最終段階、フェーズ３の新薬候補に投資する。
欧米の大手製薬会社が開発中のがんや中枢神経などの新薬候補が有力だ。
１件あたりの投資金額は最大200億円強になる可能性がある。
ファンドへの報酬は、治験が成功した際に発生する。
契約によっては新薬発売後に別途、販売実績に応じた報酬が発生するケースもある。
これまでは、製薬会社は治験費用を 手当てするため、新薬の開発や販売に関わる権利を切り売りすることが多かった。
ファンドはこうした権利を求めず、製薬各社が新薬の権利を維持できる。
新薬開発に必要な研究開発費は膨らんでいる。
米タフツ大学の調査では、失敗案件を含めた新薬の開発コストは１件あたり25億ドル強。
2000年前後の開発コストに比べ2.5倍の水準だ。
高血圧症などの生活習慣病領域では効果の高い薬が既に普及しており、従来薬を超える効果を持つ新薬の開発が難しい。
一方、画期的な新薬が求められている中枢神経などの分野では、治験が難航しがちで開発コストもかさむ傾向がある。
三井物産と米クインタイルズなどは、13年に総額４億5900万ドルの新薬ファンドを組成している。
投資先は武田薬品工業 や塩野義製薬など10件の新薬候補で、既に一部案件の投資回収が始まっている。
今回のファンドは前回の約２倍の規模となる。
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